データを守れ!データセンターの電源供給事情
皆さん、データセンターは使っていますか?
データセンターと言われると巨大なコンピュータが何台も並んでいるイメージがありますよね。
巨大なコンピュータを支えるためには様々な要素が必要です。地震に耐えられる頑丈な地盤はもちろん、大量のアクセスをさばく通信回線、そして、電力です。
今日はデータセンターの電力供給事情を見ていきましょう。
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データセンターとは?
21世紀の石油とも言われるデータですが、そのデータを支えるのはぼんやりゆるふわした雲(クラウド)ではありません。
質実剛健という言葉が似合う巨大な施設に、コンピュータ、データを格納するストレージや通信装置が山程詰まっています。
YouTubeやTik Tokの動画も、Instagramの写真も皆さんのスマホからデータセンターに貯められれて、
アプリを起動するたびにデータセンターからスマホにダウンロードされています。
そんなデータセンターも、電気がなければただの箱。データセンターで電気が何に使われているのか見ていきましょう。
データセンターは何に電気を使う?
コンピュータの電源
これは想像通りですね、コンピュータ、中でもCPUやGPU、回転するディスクを持つHDDなどはかなり電気を消費する部品です。
当然、個々の性能をより良くするために日夜CPUやGPUの性能を競っている人たちがいます。
空調
こちら、実はかなり大事です。コンピュータの一部としての空調もありますが、
同じ部屋に何十台も置いていたらコンピュータが各々冷やしたところで室温が上がってしまいます。
計算結果にエネルギーは存在しないので計算で使ったエネルギーはすべて温度に変換され、何もしないと気温がどんどん上がっていきます。
先日のAWS東京リージョンで発生した障害は空調の不調のようですね。
影響範囲を考えると空調の重要性が認識いただけるのではないでしょうか。
また、データセンターの性能指標の一つとしてPower Usage Effectiveness(PUE)があります。
これは、「データセンター全体の電力消費量」を「データセンターにあるIT機器の電力消費量」で割った値です。
この値が1に近づくほどデータセンターの効率は良いと判断され、一般的には2.0程度ですが、その内訳として空調はかなりの範囲を占めています。
こんな電気機器たちが動くデータセンターですが常に稼働するためには安定した電力供給が必要になります。
ではデータセンターの電力供給事情を見ていきましょう。
データセンターの電力事情
一般にデータセンターは1系統(例えばある電気会社から1本電力供給を受けている状態)で運用することはありません。
正、副、そしてより重要な施設では予備電源が存在します。
正、副は別々の電力会社や電力供給源から電力を伝送し、無停電電源装置(停電しても予備電源の電源を供給したり、内部のバッテリで電源供給を維持する装置)を用いて、
万が一正副何れからの電源が断たれてもデータセンターの稼働には影響が無いように設計されています。
そして、更に万が一正副両系統ともダウンした場合に備えて、予備電源として小型発電機を有するデータセンターもあります。
この予備電源には燃料などにより供給可能時間に制限がありますので、その間に復旧や別リージョンのバックアップシステムを稼働させるといった対策が行われるわけですね。
まとめ
いかがでしたか?
何気なく、存在も気にせず使っているデータセンターですが、大規模な電力設備に支えられたシステムなんですね。
データセンターではないかもしれませんが、価値を生み出す機器(コンピュータや製造機械)とその機器を維持するための機器(空調や照明)の内訳を知ることで、
自社工場がどれだけ効率的な工場なのか計測することはできそうですね。
気軽に計測することからはじめて、PUEの規模感を掴んでみるのはいかがでしょうか?
Energy Coloringではオフィスや工場の電力消費量の内訳をざっくりと計測する手段を提供しています。