EnergyColoring 中の人ブログ

エネルギーを変えれば生活が変わる。ビル全体の消費電力の使用用途内訳をWEBダッシュボードで見える化。

エネルギー消費量に国民性が出ている!?

みなさん、こんなエスニックジョークを聞いたことがありますか?

沈没しかけた船に乗り合わせる様々な国の人たちに、海に飛び込むよう船長が説得をはじめました。
アメリカ人に 「飛び込めばあなたはヒーローですよ!」
イギリス人に 「飛び込めばあなたはジェントルマン(紳士)です!」
ドイツ人に 「飛び込むのはルールです。」
イタリア人に 「飛び込めばあなたは女性に愛されますよ!」
日本人に 「みんな飛び込んでますよ」

他の国の例もあったりしますが代表的なのはこんな感じでしょう。
なんとなく国民性(ややステレオタイプ?)を言い当てているように見えますね。
実はこのような国民性がエネルギー消費にも現れているようです。

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主要国の1人あたりの消費エネルギー推移

主要国の1人あたりの消費エネルギーの推移をみてみましょう。
www.google.com

縦軸が一人あたりの消費エネルギー、横軸が時間です。

資源が豊富な国

消費エネルギーの多い3か国、カナダ、アメリカ、ロシアですが、いずれも、資源が豊富な国です。

資源が豊富な国は輸入コストがかからないため、電気料金が安く、1人あたりの消費エネルギーが多い傾向があります。

  • カナダ : 石油、天然ガス、ウランの純輸出国であり、電力の輸出もしています。エネルギー自給率は171%(2016年)。
  • アメリカ : カナダなどから資源の輸入もしているものの、自国資源は豊富でエネルギー自給率は88%(2016年)。
  • ロシア : 石油、天然ガス、石炭の輸出国で、エネルギー自給率は188%(2016年)。

EU

EU諸国の中でも主要なドイツ、イギリス、フランス、イタリアに注目してみましょう。
20世紀は上昇傾向でしたが、最近は降下傾向にあるようです。やはりEUは環境意識が高いようですね。

アジア圏

ここでややこしいのがアジア圏です。傾向の異なる日本、中国、韓国に注目してみましょう。
日本はEU諸国と歩調を合わせて降下傾向に向かっていますね。

中国が急上昇してきていることが分かります。
これは2015年までのデータですので、最新のデータでは先進国を抜かしているかもしれませんね。

韓国は不思議な動きをしていますね。

韓国の例外

韓国のエネルギー自給率は日本と同じくらいです。
韓国の発電方法は、石炭(45%)、原子力(35%)の比率が高いのですが、それだけでは説明がつきません。(なお、石油の火力発電は数%程度)
では、なぜ韓国の電気料金が安いのかというと、政府の介入により電気料金が決められているそうです。

全体的な傾向

  • 資源国は電気料金が安いので消費エネルギーが多い
  • 先進国では1人あたりの消費電力はキープまたは減少していく傾向が見える
  • 資源国でなくても例外的に国策で電気代を下げるとエネルギー消費量は増える

まとめ

個人的に電気代が安いのは羨ましいところではありますが、
資源状況や国家の方針が結果として統計に現れるのですね。

データを見ることで見えてくることと、その原因を探ることは国のようなマクロな視点から、
家庭やオフィスなどのミクロな視点でも役に立ちそうです。

エナジーカラリングは、スマートフォンを用いて用途別電力を推定したデータを見ることが出来ます。
また、各業界の一般的な電力消費比率などと比較すると、自社の機材がどれくらい非効率な機材かわかるかもしれません。

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